こんにちは!
株式会社ENISHIのコラム担当、西です。
今回は、ここ数年でよく話題となるICT化についての弊社の取り組みについて少し、お話していこうかと思います。
そもそも、ICT化とはよく聞くものの、実際はどういった内容なのかわからないという方も多いかもしれません。
ICTとはInformation and Communication Technologyの略で情報通信技術のことです。
ICT化とは、インターネットなどのネットワーク通信技術を利用して、人とモノを繋ぎコミュニケーションをとることです。
例えば、タブレットなどを利用して情報共有することなどもそうですね。
ICT化への取り組み自体はIoTまで含めて考えると沢山の内容がありますが、私達職人にとって最も身近な取り組みとしては、タブレットやスマートフォンを利用して仕事の管理を行うことではないでしょうか。
例えば弊社では、自身が入社後すぐにタブレットとアプリの活用を提案しました。
元々、オフィス勤めだったころは自身のパソコンが支給され、スケジュールや仕事のデータもすべてアプリやクラウド上で管理していました。
例えば、メジャーなツールで言うと、Slackなどのチャットツールでプロジェクトの管理をしていました。
建築業界に入ってすぐに私が感じたことは、とにかく紙の利用率が多いことと、それに伴うトラブルが多いことです。
弊社も例外ではなく多くの問題を抱えていました。
例えば図面の共有方法です。
これは現場にもよりますが、今でも紙が主流です。
紙のいいところは大きく見れることですが、もし細かな図面だった場合、年配の職人さんたち向けに拡大図面が別に必要になります。
また、同じフロアでそれぞれが少し離れた場所で作業する場合、図面が一つしかないととても不便です。
その都度、図面を持っている人の場所までもどり、開きなおして自分の場所を確認して…といったようなことも起きます。
たった数十メートルの行き来でも、年間で考えればとてつもない時間のロスとなります。
こういった事を防ぐためには図面を沢山刷ってもらう…などの対策方法もありますが、図面を現場で自由に刷れるのは監督さんなどだけですよね。
そうなると、今すぐ図面が欲しい…!というタイミングで直ぐに印刷してもらえるとは限りません。
でも、もし、タブレットを社員がそれぞ持っていれば、図面をクラウド上で共有するだけで済みます。
ICT化のメリットは他にもあります。
先ほど話したように、図面をどこからでも確認できる状態にさえしておけば覚えれるようになるまで仕事ができないなんてことにはなりません。
また、リアルタイムで編集状態を共有できるアプリなどを利用することで、離れた場所にいる人同士で図面に追加事項を書き込みながら説明したりすることもできます。
高層マンションの建築中に、何十階も階段をおりてきて話をする必要はありません。
図面に限らず、仕事やスケジュールの管理もアプリの活用などで効率化できます。
例えば弊社ではスケジュール管理はカレンダーアプリで行います。
大手の企業や、オフィス業の人であれば「当たり前のこと」かもしれませんが、建築業界の中小企業は会社の社員が極端に少ない傾向にあるので、まだまだ紙ベースでの管理も当たり前だったります。
カレンダーアプリを使い始めた理由はいくつかあります。
まず、私が解決したかったのは社員から社長への長電話を無くすこと。
そもそも、社員が少なく、全社員の直属の上司が社長しかいないような会社では「休み希望を含むスケジュール管理」も社長の仕事になります。
それ自体は新入社員の私が変わるわけにもいかないので、仕方のないことです。
ただ、その話を深堀していくと、休み希望などのスケジュール調節の電話のたびに現場報告などの長話に繋がっているということでした。
さらに、休みの都合に問題が無いか、社長から職長に確認の電話をかけて…と何重にも手間が重なっていました。
当たり前ですが、社長の給料形態にかかわらず、社長というのはもっともコストが掛かる立場です。
そういった把握しづらい時間のロスによって社長が拘束されるのは、会社にとって大きな損失に繋がります。
そのため、まず連絡ツールで休みの希望をだし、許可が下りたら自分でカレンダーアプリに登録するようにしました。
社長に先制した時点で「申請中」のステータスで仮登録するため、現場の状況をみて問題があれば職長が社長に確認できるようにもなりました。
これにより、社長は社員からの休み希望を「会社の都合上問題が無いか」を確認するだけで済みます。
後は社員同士で確認し、社員同士でコミュニケーションをとればいいので、社長を拘束する長電話問題を解決できます。
もう一つ解決したかったのは、社員が遅刻なのか休みなのかメンバー配置をした人だけしかわからないと言った状況です。
社員が一名出勤していない日に、休みは社長しか把握していない、日ごとの人員は職長しか把握していない、ということが実際にありました。
結局、確認のために電話を掛けたりと右往左往することになりました。
スケジュールアプリで社員の休みなどを共有することで、全員がそれぞれの現場の人員を把握できるようになりました。
また、弊社ではタスク管理アプリも採用しています。
建築現場に入ってから、私は私だけで仕事をする日が半年たってもありませんでした。
もちろん、任せてもらえなかったということ自体は私の覚えが悪かったというのもあるかもしれませんが、そもそも一人で作業ができる状況ではなかったのです。
たとえばスケジュールの把握なども、個人の紙メインで行われているため私に限らず職長以外はあまり深くは状況を把握していない印象でした。
応援会社の方ともなれば、指示が無いと動けないといった具合です。
ルーティーン作業があるわけではない…というのもありますが、これはタスクの管理方法が良くないと感じました。
新入社員ではできる作業が少ないから…という話もありますが、そもそも、新入社員が必ずしも率先して難しい作業をする必要はありません。
もし、弊社が請負で応援会社からベテラン社員を呼んでいるのならば、できない作業はベテランにやり方を聞くなりお願いするなりすればいいのです。
でも、タスクの管理は請負側の仕事なので、応援に任せるわけにはいきません。
ですが、そもそもタスクや現場の状況が職長のスケジュール手帳にしか書かれていないようでは、把握のしようがありません。
そのため、タスク管理アプリにて職長は全体のタスクを全員が確認できる場所で管理するようにしました。
さらに、それぞれの社員が自分のタスクを個別に管理し、さらに全員に共有が必要な情報は会社全体の管理場所に記載するようにしました。
また、職長が抜けて新入社員だけで作業する場合にも事前に作業内容や必要な資料を一つの場所にまとめて共有してあります。
もし、前日に休みの社員に作業を引き継ぐ場合も、画像付きで詳細な説明ができるため、それを見ながら続きの作業ができます。
これによって、図面を探すところから始まったり、当日になって必要な資料がない、資材の場所がわからないといったことがなくなりました。
また、万が一資料が足りない場合なども、アプリやデバイス上の検索で探すことが可能となりました。
これで、極力、社員の努めている年数に関係なく現場を管理することができる状況を作りました。
個人アカウントを利用して管理権限をそれぞれに振り分けているので、もちろん全員が全ての資料にアクセスできるわけではありません。
アプリやクラウド上での管理は便利な反面、パスワードやアカウントの管理が課題となります。
今後はそういったことに特化した社員の需要も増えてくるかもしれませんね。
このように、少しづつ小さなことではありますが、建築現場の中小規模の会社でもICT化が進んでいます。
効率化できる場所が少ない建築現場だからこそ、うまく取り入れて進めていければ他社とも差をつけれるかもしれませんね!
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